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2019年8月8日木曜日

どこかで祝っていて

旅の翌日、友の庭で採れた野菜を使って友に教わった料理をつくった。
飲み歩いてばかりの身としては、数多い料理上手の友だちの生活を目にするたびに猛省。もっと早く目覚めていれば、と何度思ったことか。
この気持ちが消えないうちにと、帰宅するやいなや出汁をとったりアレしたりコレしたり。
「レストラン両国駅」か資生堂パーラーか、ってくらい完璧なオムライスにも、いずれ腰を据えて挑戦しよう。
おみやげにもらった純米吟醸を啜りながら没頭していると、玄関のベルが鳴った。
届いたのは、まったく同じ箱ふたつ。
自分で注文したTシャツと、誕生日プレゼントのTシャツ。中身もまったく同じ。届いた日も同じ。まさかのバッティング!でも2倍うれしい。
アラフィフなのに、Creepy nutsのTシャツなんてどうなのよ、と何度も買うのをためらったこのTシャツ、さっそく誕生日の朝に着て出かけた。
とはいえ、前の晩には誕生日のことなどすっかり忘れて「おいてけ堀」へ旅のおみやげを提げて参上、いつもより濃いホッピーにあっという間に酔っぱらって、前後左右不覚のまま帰宅。誕生日がこんなにどうでもよくなる日がくるとは思わなかった。
8月8日はボキの誕生日でもあり、結婚記念日でもあることまで忘れているんじゃなかろうね、と酔ってどこからか採ってきたえのころぐさの向こうでぼっちゃんがうらめしい顔をしていた。

2019年6月3日月曜日

体調が悪くて健康的な日々

あれからずっと、大酒が飲めないでいる。
カラダが、アルコールを欲していないのだ。
ウイスキーが、特にだめになった。
大好きだった日本酒さえも、今は顔も見たくないほど。

こんなことは今までなかった・・・って歌が昔々あったな。
なんてせつない大人の恋の歌!と感心していたら、なんてエッチな歌詞なんだ!と感心している男子がいたな。元気だろうか。


同級生たちと初めて一緒に出たマラソン大会。
お天気も気温も、大会そのものも、なにひとつ言うことはないほど、いい日であった。
ただひとつ、自分の体調を除いては。


大会前日は、文太くんにトレーニングに付き合ってもらった
・・・が、この日はとてもさわやかな、いい天気。
この時期に帰省することはなく、めずらしい花なんかも咲いているので、散歩に変更。
りんごの花をもっと微かにしたような香りの、低木についていた花。
調べたら、キウイの花であった。
矢車草やしろつめ草、あかつめ草やわすれな草がそこかしこで咲き乱れており、ほんのひと月でこんなに違う花が咲くのか、と感心した。
文太はいつも、キジの声を聞いて日がな一日過ごしているらしい。
たまの私との散歩では、おぼれない程度の深さと水量、そして美味しい水の流れる側溝探しに余念がない。
この日はかなり軽めにキメたつもりなのだが、帰宅するなり文太は大きなため息をついてバッタリと寝てしまった。

結局このトレーニング(散歩)だけで臨んだ、第5回安曇野ハーフマラソン。
ここ最近の著しい酒量の低下と、なくなった悪いクセの効果は特になく、カラダが前に進まない苦しい21㎞であった。

途中、後ろを走っていた男性が、あの花はラベンダーですか、と沿道の人たちに尋ねていた。矢車草だよ、と言いたかったが、息も絶え絶えで言えず。

この大会に誘ってくれた同級生たちとはまた別の、同じ中学校の仲間たちと不思議な再会を果たし、帰りのシャトルバスの行先を間違えて豊科の温泉郷方面まで往復ドライブしてしまったのも、いい思い出。わさび沢の水がきれいだったなぁ。
・・・はとエアラインに乗んなさいよ。


同級生たちと別れて駅をぶらぶらしていたら、大雪の初デートで見た0番線ホームを発見。
感慨にふけることもなく、ホームにお蕎麦屋さんを見つけて喜び勇んで入った自分にウン十年の月日を感じて、悪くないな、と思った。
帰りの電車でためしにワインを飲んでみたが、カラダは喜んでいなかった。
さらにカラダが欲していないというのに、おさわりOKのかわいこちゃん(ねこ)のいる酒場へ。
大将がくれたかにかまを、おさわりNGのかわいこちゃんに食べさせるという、たまらないサービスをさせてもらって、そこそこ酔って帰宅。やはりカラダは喜んでいなかった。

調子が悪くて健康的、というのが腑に落ちない。

2019年5月21日火曜日

きゅうりの相撲見

〽きゅうりのスモミ(相撲見)は聞いたけど
かぼちゃのスモミはワシャ知らぬ

相撲を観に行くと決まってから、この相撲甚句が頭から離れなかった。


大相撲五月場所中日。
御嶽海と同郷(自分もだ)の友だち3人は初国技館、初本場所観戦。
国技館に入る前から2人のテンションはアガっており、もう1人に至っては午前中から観戦していたらしく、昼に逢ったときには既に赤い顔をしていた。
いきあたりばったりの私にはめずらしく、お茶屋さんに力士弁当も予約済み。
お茶屋さんの名前は「さばねこ」ではなく「ハセガワ家」さんだった。
休場している白鵬弁当を頼んで全勝中の(土曜日までは)鶴竜弁当を頼まなかったのは痛恨のミスだったが、新大関・貴景勝弁当はなかなかおいしかった。

昼酒はなるべく避けていたけれど、今日ばかりはいいでしょう、とビール等を担いで行ったら、友だちは酒瓶を担いできていた。
今日はきっとよく食べよく呑むだろう、と朝ランをキメておいてよかった。

九重部屋の塩ちゃんこから始まって力士弁当(Withビール1本)、友だち持参のおつまみをひっきりなしにつまみ(With今錦ちびりちびり)、前の席の知り合いの子をつまみにビールをもう1本・・・幕内の取組が始まる前にこっくりこっくり船をこぎ始めた者もいた。

全員が応援していた高安や栃ノ心、その晩顔を合わせる予定の未亡人会会長が後援している阿炎、その晩行く予定のお店のお兄さんに似ている照強などなど、好きな関取がほぼ全員勝って、気付いたら今錦が1本空いていた。
昼から食べて飲んだくれて大騒ぎしたせいで「ニューねこ正」ではさほど飲めなかった。
(とはいえ、規定量はきっちり飲んだけどさ)
翌日相撲観戦するという板前さんは、とびきりの刺し盛をつくってくれたし、美人女将は気合の入った焼鳥を焼いてくれた。照強似のお兄さんや未亡人会会長・副会長と祝福の言葉をかわし、熱狂の一日は終わった。


帰宅して友だちがおみやげにくれたタッパーウェアを開けたら、以前連れていってくれたすてきなバーでこれおいしい!と(私が)大騒ぎした、ひたし豆と、たけのこごはん。
満腹でふぅふぅいってたのに、ちょっと味見のつもりが・・・あああぁぁ・・・・

2019年4月11日木曜日

花見でなく、つぼみ見

毎年呼んでもらっている花見へ、今年も行くことができた。

花見というものは、時期にアタリをつけるのが難しい。
この花見も例外ではなく、かつては三分咲きだったり、花吹雪だったり、にわか雨だったり、したこともあった。

目的地が近づくにつれて、桜の花が少なくなっていく。
たしかつい先日この近辺を通ったときも、桜はこれっぽっちも咲いていなかった。
誘ってくれた友だちも心配していたっけ。
でも、桜なんて口実に過ぎない。目的は、一年ぶりにみんなに会うことと
地元の酒蔵の、新酒発表会。

その前に、ホストクラブ山の店へ。
ナンバーワンホスト・石松は、変わらずマウンティングの嵐であった。
ひとしきり遊んだあとに、今年初めての(店主さえもまだ賞味していない)山菜をいただく。きれいな緋色をまとったウドは、今まで食べたどのウドよりおいしかったなぁ。
いつも無口な店主の息子から今年から始めるというトレイル大会について話を聞くうちに、なんだか走りたくなってきた・・・気がした。

お花見はやはり「つぼみ見」であったが、久しぶりに会うみんなと豪華すぎるお料理とおいしい新酒で、気持ちよく酔った。隣に座った山男が音楽をかけてくれた。

隣の団体はご当地アイドルのオフ会だったらしく、山男はシャレで握手会の列に並びにいった。それを眺めていたら、なにやらむずむずしてきた。
アイドルといえば「R.Y.O.G.O.K.U」を唄って踊る彼らもアイドル。

カラオケではアイドルの曲しか唄わないと言っていた仕事関係のひとと別の日に10年ぶりに再会したが、おとなしく無口で五月人形のようだった彼は、ご立派になられていた。

2019年4月4日木曜日

三助よ、背中を流しておくれ

先日行った温泉にて、男湯にのみ、ねこの三助が来たらしい。
その三助は突然露天風呂に現れて
「ンニャ~(お背中流しましょうか)」と声をかけてきたとのこと。
丁重にお断りすると、しばらく湯気にあたってからどこかへ歩いて行ったらしい。

後に玄関で会った三助に、なぜ女湯に来なかったのだ、と不満をぶつけるも、三助は
「ンニャ~(またどうぞ)」とつれない返事。



「すべすべ温泉ねこぞの」には三助だけでなくすべすべマッサージ師もいるし、湯ぶねでちょっと一杯だってできる。
湯ぶねで飲るなら「男の酒 綱取り」がおすすめ。
個人的には、熱燗が好きだ。

むかしむかし行った温泉では、たしかビールを飲んだ。
初夏だったか。当然フンド氏は男湯、私は女湯でそれぞれ缶ビールのプルタブを開けた。
女湯でひとり缶ビールはちょっとナニであった。

2019年3月18日月曜日

旅は終わった

むかしむかし「スナック女将」は、高校を卒業したおんなのこたちの、社会勉強の場であったらしい。
言葉遣いや作法などママやお客さんに叩き込まれて、社会へ巣立つなりお嫁に行くなりしていたとのこと。


先日旅先で連れていってもらった飲み屋さんもそうで、歴代のバイトくんは地元の国立大学の生徒さんのみ。
開店直後からとてもにぎわうお店なので、まじめで信用のおける先輩からの紹介のみ、ということらしい。
コの字形のカウンターの並びで、まだ幼さの残る青年がおじさんたちに囲まれて赤い顔をしていた。この店に連れていってくれた友も、なにやら話しかけている。
向かいの席でひとり飲んでいた紳士が勘定を済ませて立ち上がると、青年は立ちあがって紳士に近づいた。

やあ、と紳士が微笑むと、おかげさまで来週卒業式で、そのあと引越しです、と青年が頭を下げた。
そうか、いまは3月。3月は卒業と旅立ちの季節なのだった。


忙しくていつも疲れていた友は、初対面のひとかと勘違いするほど元気になっていた。
そして一番食べたかった手料理をふるまってくれた。
ばかじゃないの、と呆れられるほど酒を買い込み、笑いすぎて涙を滲ませながら手を振って別れた。濃すぎる旅は終わった。

2019年1月17日木曜日

玉カフェ.福の市 開催中です

東向島「玉ノ井カフェ.」さんで絶賛開催中の「玉カフェ.福の市
~2019年1月29日(火)まで

玉ノ井カフェ.
東京都墨田区東向島5-27-4
https://ameblo.jp/tamanoicafe/

私の愉しみを増やしてくれるニクいあの方のおかげで、ふとひらめいてお赤飯をつくりました。
これができ上がった数日後に、現実におめでたいことが起きるとは。
お赤飯にしてよかった。


あとは、子どもが抱っこされると強い子に育つと言われるおすもうさんシリーズ。
「横綱土俵入り」と
 「清酒 綱取り」と
 「相撲茶屋 さばねこ」



横綱がまたひとり、引退した。
先代の親方がいてくれたらと益体もないことを、彼が大関になってから何度も考えた。
でも、耳を塞ぎたくなる、心無い言葉を吐く人たちの声を聞かずに済むから、これからは大丈夫。(どこから目線?)



なつかしい友だちからメールが来た。
一緒によく行ったライブハウスに、ひさしぶりに行くんだ、とのこと。
(そこには白いシャツに黒のタイトスカートのウェイトレスはいない。いるのは『ライブハウスねんね』だけ)

私はというと、もう3年近く、そこには行っていない。
ジャズにもあのベーシストにも飽いたわけではないが、どうにも間が空いてしまった。
今年また行ってみよう。


そういえば、寄席にもめっきり行っていない。
噺家さんなんて何人もいるし、ディグろうと思えばできるのに、生来のメンドクササが邪魔をして・・・
今年は新規開拓できそうな予感。
しかし席亭ってのは、身近にけっこういるものなのだなぁ。

2018年12月26日水曜日

師走の「ハセガワさん」

その夜は、知らない顔のグループと、またべつのグループがにぎやかに宴をしていた。
最初の客が引けて、マスターもママものんびり一服している。
私は隣の人妻と話しながら、次はなにを飲もうか考える。

「おーいママ、俺のたのんだの、忘れてへんか」
「あ、忘れてた」
「やっぱりなぁ、なんかくつろいでるからおかしいなぁ思て」
「ごめんなさーい、でも伝票には書いてないから安心して」
「当たりまえや、ハハハ」

なんてことのない会話を聞きながら、なにかを感じた。
師走感だ。
それも、いそがしい師走のすきまにある、間延びした時間。
この感じ、好きなんだよなぁ、と熱燗をたのむ。


「それじゃハセガワさんと変わらないじゃない」
「ハセガワさんとこに行ったときにさ」
「やっぱりハセガワさんってもんだよ」
「そこはハセガワさんでないと」


お銚子を受け取った手が止まる。
会話の主は、背後の見知らぬ顔のグループだ。
いや、「見知らぬ」ではなく、いつも背を向けていて気づかなかっただけで、これまでの「ハセガワさん」についての話しも、彼らだったのではないか。

おそるおそる振りかえって、そっと顔ぶれを見てみる。
しかし、やはり見知らぬ顔ばかり。

「ハセガワさん」はどうやら、人望があって頼りにされている人物らしい。
自分でないことは火を見るより明らかだが、それにしても魅力的な人物に思える。
ハセガワさんはこの酒席に加わることはないのだろうか。
もしや、うちのハセガワのことではないだろうな。


遅くなりましたが、「深川福々」最新号は既に配布されております。
大江戸線・清澄白河駅では季節ごとに異なるPOPも。
墨田区内の配布も完了しました。
今回は編集会議の日にちを一日まちがえ、作業にも参加できず、ただ配布だけをした、だめ人間であった。



クリスマスは終わった。

「ものに執着しなくなった」と言った舌の根も乾かぬうちに、急に物欲のカタマリになったため、落ち込むほどに自分に貢いでしまった。
ま、なにに対しても興味のわかなかった期間の分の、穴埋めだと思って・・・

2018年12月4日火曜日

開かれなかった本3冊

用もないのに帰省。
用はなくとも、文太くんに会いたかった。
文太くんお気に入りのコースを、一緒に走りたかった。
あと、いろいろに疲弊していたのかもしれない。
(いろいろイコール飲みすぎ)
用はなかったので、思いつきで同級生ふたりに連絡して、朝ジョグをキメる。

ひとりは保育園からの、もうひとりは中学の同級生で、どちらもほとんど口をきいた覚えはない。
40歳の年におこなう厄年会なる行事で再会したときも、たしか口はきかなかった。なのに、それから数年後には一緒に走っているのだからおもしろい。

こんな遠い道のりを、よく9年間も歩いて通ったよねぇ、とか市民プールがなくなったんだよ、とかこの道は先月開通したんだ、とか話しながら、市内を端から端までゆっくり走る。


「信州に帰ってきたんだから、日本酒飲んでもらわないと」と、その晩は彼らのなじみのお店に連れていってもらう。
やっぱり信濃鶴でしょ、という同級生の顔を不思議なココロモチで見る。
あのコドモが酒の話ししてるよ、とおかしくなった。
連れていってもらったお店では、噺家さんが高座を終えて一杯やっていた。
訊くとこのお店ではよく落語会をおこなっているとのこと。
席亭は、小学校の同級生であった。

同級生ふたりと当時の打ちあけ話をして悶えていると、隣に座ったひとがなにやら話しかけてきた。同学年の、離れたクラスの男子であった。

なぜか信濃鶴でも七笑でも夜明け前でもない秋田の酒を空けて、中学の同級生の奥さまの運転で送ってもらう。

翌朝、淀んだ頭をかかえて文太くんと走りながら考えた。
いくら狭いこのまちでも、世の中狭すぎやしないか?
のんびりするつもりで帰省したのに、いつも以上に飲んでしまったではないか。
行きも帰りも、車中で読むつもりだった本は、開かれずじまい。

2018年11月7日水曜日

汽車旅の本あるいは酒

西へ向かうときには、西の作家の本を読むのだ。
そう思って、古いのに古くさくない、西の作家の本を携えて出かけた。
朝の新幹線のホームは、高揚した空気に満ちている。
つられて高揚して、マラソン大会に出かけるというのに、ビールを手にとってしまった。
プルタブを上げるのは、新幹線が動き出してから。
朝シャンならぬ朝ビールは、ちびちびやりたいところ。
駅弁を食べるほど空腹でもないので、西の作家の本を開く。
窓の外と本に、交互に目をやる。
ちょっとだけ、吉田健一になった感じ。





帰りの新幹線の構内はひどく混雑していた。

マラソン大会を終えて、ひとり祝杯をあげる気まんまんであったが、車内販売が来ない。
右隣のひとは熟睡している。
左隣のひとは、新幹線が動き出すと同時にビールを飲み始めている。
私のカラダはビールを求めている。
しかし、車内販売は来ない。
左隣のひとは、先ほどから3回もポテトチップスを通路に落としている。
車内販売は来ない。
音楽を聴いて気を紛らわせる。
車内販売は来ない。

耐えきれず、おみやげのにごり酒に手を出す。
新幹線では日本酒の類は飲まないと決めていたが、背に腹はかえられない。
ちびりちびりとにごり酒を啜りながら、おみやげのおせんべいにも手を出す。
なんだか、へんてこな祝杯になってしまったな、と可笑しくなったけれどまあよかろう。
しかし西の作家のこの本はおもしろいなぁ、としみじみページをめくっていると、ついにやってきた車内販売。

結局5回もポテトチップスを落とした左隣のひとを起こさぬように、そっとビールを求めたのは、いうまでもない。